中高生に送りたい数学の本まとめ
最近は春休みなので、本棚の本を一挙に整理していたのですが、どうも本棚を見ていると「ああ、この本、中高生のときに読みたかったなぁ…」という数学の本が意外と多かったのでまとめて見ました。(読んでいた本もありますが)
と言うかこれは常々思っていることなんですが、数学は教育課程から専門書への導入が比較的少ない気がします(ただし大学を除く)。すくなくとも中高六年間における、数学の教育カリキュラムはかなり良い出来で、紀元前から19世紀あたりまでの数学数千年の歴史がわずか六年でマスターできる優れものです。が、いかんせんそれだけでは味気ないというかなんというか。まぁ、歴史小説を読んだり旧跡を歩いて歴史知識を深めるかんじで、数学も教科書や参考書出ない本を読む事も、肥やしになってくれるようなそうでないような。
そもそも高校の数学教科書って、カリキュラムはよくできていても教科書自体の記述はスカスカでとても独習に耐えたもんではない気がする。
簡単に言うと、中高生も教育指導要領外の数学にもっと萌えようってことで。うん。難易度目安は数学がそこそこ好きな中高生なら読みこなせることです。
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2007/06/27
- メディア: 単行本
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問題はストーリーの方で、甘酸っぱい青春ドラマをニヤニヤしながら読み進められる人にとっては良書と思われるが、受け付けない人には辛いだろう。と、言うことで一度書店で立ち読みしてみることをオススメ。もしくは著者のウェブサイトにも少しテキストが出ているので、試し読みは可能。是非是非。以下、続刊とウェブサイト。
数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)
数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)
Web版「数学ガール」
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2005/03/24
- メディア: 大型本
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- 作者: 宮腰忠
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2004/09/01
- メディア: 単行本
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それ以外にも高校までの数学の内容が一まとめになっているので、かなり濃い。読むところも多いので、暇つぶしに読んでいくのにちょうどいい。下記ウェブサイト。
http://www.h6.dion.ne.jp/~hsbook_a/
- 作者: 平岡和幸,堀玄
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2004/10/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 高橋信,トレンドプロ
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 単行本
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今はコンピュータのおかげでサクサク統計処理が行えるようになったおかげで、実際に大規模なデータで遊べるのが楽しい。まぁ、統計学とどう付き合うかはおいておいて、ちょっと統計をかじると世論調査の見方なんかが変わって面白いよ、ということ。よって中高生におすすめ。
- 作者: 吉田武
- 出版社/メーカー: 東海大学出版会
- 発売日: 2010/01/01
- メディア: 単行本
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- 作者: トランスナショナル・カレッジ・オブ・レッ
- 出版社/メーカー: ヒッポファミリークラブ
- 発売日: 1988/07
- メディア: 単行本
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この本の問題点を一つあげると、語り口調が人によっては大変ウザく感じられるかもしれないことであるw
これなら分かる応用数学教室―最小二乗法からウェーブレットまで
- 作者: 金谷健一
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 田沢新成,田村三郎,白倉暉弘
- 出版社/メーカー: 現代数学社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
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ただ、もちろん高校数学迄ではやらない。なぜ位相幾何学を全くやらないのかは不思議だが、やらないものは仕方ない。逆に言うと、ちょこっと入門書読むだけでも新鮮で楽しいのだ。例えば『ある図形が一筆書きが出来るかどうかを判定する』なんてのは頭の体操にぴったり。
ここから先のレベルについては、まぁ多分適当に自分で本を探していける気がするので、この辺で止めておきます。あくまで「専門書の書架に目を通したことのない中高生の自習ガイド」なので。
ただ、何にせよ独習の基本はフィーリングの合う教科書。ここに書いた本はもちろん私オススメの本ではあるのですが、本屋で一読してから、できれば図書館とかで学びたいジャンルの本をがっつり斜めよみしまくってから、良さげな本を数冊買うなり借りるなりした方が、学習効果は高いです。
なぜか書評部分は常体で、それ以外が敬体というキメラ体になってしまった…。
後一応逃げの口上を書いておくと、私は趣味で数学の本を読んでるだけで、数学を特にキチンと習ったこともない人間です。って訳なので、そんな人間でも分かる書籍リストなので良しとするか、そんな人間の言うことなど信用ならんと悪しとするかは、読者の皆さんにお任せです。
ただ、上にも書きましたが、出来ればその判断は書店で行って欲しいところですね。